ヘアカラーの利用で密かに進むペットへの健康被害
一般的なヘアカラー剤に使用される化学物質の健康リスクは、それを直接使用をした本人のみに影響がある訳ではありません。
染毛した髪に直接触れた時はもとより、そうではなくともカラーリングした毛髪からは、染毛成分が揮発致します。
それを経鼻吸入する事によっても症状は現れますので、生活の中で接触距離が近く頻度の高い乳幼児や小さなお子様はさる事ながら、ペットに対しても彼らは無防備な事も踏まえ、細心の注意と十分な配慮が必要です。
ヘアカラー剤に含まれる化学成分の主なリスクをご案内致しますので、是非、参考にして頂きながら大切なペットの健康を今までよりも一歩踏み込んで考えてもらえたらと思います。
■パラフェニレンジアミン
健康被害は多岐に渡り、大きく分類すれば、アレルギー性皮膚炎等の皮膚障害、喘息等の呼吸器障害、心臓や肝臓等の内臓の障害が挙げられます。
痒そうな仕草や湿疹が現れた時、咳や息苦しさ等、喘息に近い症状が出た時には、やがて治まるだろうと軽く考えず、深刻なアレルギー症状が起きていると捉えて、早目の獣医の診断をお勧め致します。
■メタ-アミノフェノール
不妊、不育になる可能性が高い研究結果が出ています。また、赤血球の数とそこに含まれるヘモグロビン濃度の減少も確認されているので、貧血の症状が見て取れる時は注意して下さい。
■パラ-アミノフェノール
染色体異常誘発性がある事や、精巣中の精母細胞の減少、変性や壊死等が認められ、不妊になる可能性と例え産まれても死亡するリスクが高いとされています。
■トルエン-2,5-ジアミン
パラフェニレンジアミンの代替として毒性が低いとされていますが、アレルギー性皮膚炎や発ガン性のリスクは決して低い訳ではありません。
ペットの皮膚も人間の頭皮のようにバリア機能が弱い部分もあれば、舐めるという行為で物を確かめたりコミュニケーションを図る彼らにとって、染毛した毛髪に触れないようにしたり、それが口に入らないようにする事は、限りなく不可能な話です。
家族を守る事が最も大切だと思えたら、ヘアカラーの使用自体も一度真剣に考えてみてはどうでしょうか?
因みに植物の色素そのもので髪をお染めする天然素材のヘナであれば、諸々の心配はありません。
髪染め自体を止めるのではなく、安全なものに切り替えたいというお考えの際は、是非、候補にご一考下さい。