液体ヘナや、ヘナ配合のカラートリートメントについて

ヘナやインディゴ等の植物性染毛料は、乾燥させて粉末化した葉に湯を加えてペースト状にしたものを塗布致します。
しかしその施術もさる事ながら染料を作るだけでも意外と労力を要する為、カラートリートメントの様に初めから液体化した商品のヘナが販売されていたりもします。
ただヘナやインディゴ等の色素は、液体にしてしまうとその効果を維持する事は、原則的に出来ません。
ヘナの染料を作るにあたり葉にお湯を加えると、その組織が水中に溶け出すのですが、その際、成分の一部から糖が切り離される事で、色素作用のあるローソンが生成されます。
その色素となるローソンは、反応性が非常に高く不安定な為、生成された直後から他の何かとくっ付こうとして動き、何かと結合すれば染色力は低下してしまいます。
またヘナとブレンドして黒みを表現するインディゴは、一旦、前駆体であるインディカンに還元して、水溶性にしてから染色を行いますが、この状態はとても不安定で1時間もすれば不水溶性のインディゴに変化してしまい、染色機能も失われます。
カラーリング能力が失われた状態では染毛商品として成立しないので、それを化学物質で補う訳です。
商品の配合成分をよく確認してみて下さい。
HC青2や赤213、塩基性青99等々のHC染料や塩基性染料に含まれる化学物質が並んでいるケースが殆どです。
その染色を担う成分以外にも、染料のサポート役として色持ちを良くする為に配合される4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールや、合成保存料であるパラベンやフェノキシエタノールであったり、染料を浸透させる溶剤としてフェニルメタノールが使用されている等々…。
もはや天然のヘナとは似ても似つかない化学物質の集合体です。
ただ、それらが記載されているだけ、まだ良いのかもしれません。
中にはそれら化学物質を伏せて天然素材を謳う製品もあり、実際、私共も何度もその様なセールスを受けた経験があります。
勿論、当店では一切採用しておりませんが、売手のセールストークを真に受けて天然ヘナとしてサービス提供をしてしまっている所や、商品を購入してしまっているユーザーがいるかと思うと、ゾッとしてしまいます。
植物性染毛料は、その独特な風合いを安全に楽しむ上でも、昔ながらのシンプルな形でご利用頂くに限りますので、その事を念頭に商品やサービスをお選び下さい。